つくりびと

21|地鶏の里|髙岩寿志さん・和徳さん

他所に負けない最高の地鶏をつくりたい

小林市インター近くに店舗を構える『地鶏の里』。同店店主の髙岩和徳さんが店で取り扱う『飛来幸(ひらこ)地鶏』は、弟で養鶏農家の寿志さんが育てるブランド鶏で、その深い味わいと柔らかな肉質が評判となり、今や全国にも名を知られています。そんな飛来幸地鶏の養鶏方法はトップシークレット。ただ、この味を体験してみれば、そのこだわりが旨味となって口の中に広がります。

髙岩さんは純血名古屋コーチンを業界の常識を覆す期間と給餌で育て上げており、日々健康に気を配り、その時々に応じて何がベストかを見極めることで鶏肉の旨味をさらに一段階引き上げることに成功。さらに『飛来幸地鶏』から生まれる卵『だまって食べて魅卵ね』もまた、黄身の濃厚さと卵白のさっぱりとした味わいが人気で、全国から問い合わせが来るそうです。「でも卵はあくまで副産物。健康で最高の鶏だからこそ、卵もまた美味しいんですよ」と話す言葉に力がこもります。

「自分たちは新規就農者なんです。だからこそ他所に負けない最高の地鶏をつくりたかった」。最高を目指した末の、厳しい管理体制に「着地点はないかもしれない。常に模索の繰り返しです」と語ります。

全てを極めんとするとゴールがなくなり、常に過程となる。そんな姿勢で日々飛来幸鶏に向き合う髙岩さん兄弟の真剣な表情が印象的でした。