『黒豚』と表示できるのはバークシャー純粋種のみを指し、その引き締まった肉質と豊かな風味が人気となっています。そんなバークシャー純粋種にこだわり、愛情深く育てているのがはしみつバーク舎の橋満恭司さん、美希さんご夫婦。自家ブランド『ひなたの黒豚』として出産から飼育、出荷までを一貫して行っているお二人は、豚たちから学ぶことも喜びの一つなのだと言います。
その一つが育成豚の運動場。将来お母さん豚となる育成豚は、ほぼ毎日のように運動場で自由に遊ばせているそうです。できる限り自然に近い環境を用意し、ストレスなく育った母豚はとても温厚で子育ても上手。そうして育った子豚たちもまたあどけなく個性豊かで、「あの子がこんなことしてた」「あの兄弟がまたドアを壊した」など、夫婦の会話の中心はいつも豚たちの話題で盛り上がるのだとか。自家育成は手間がかかり、時間も長くかかってはしまいますが、それでも優れた血統を受け継ぎ、より良い豚を育てあげたいとの思いで誠実に向き合うことを大切にする橋満さんご夫婦。「豚たちにとってどうすれば快適なのか」。我が子のように気を配る姿に、こちらも温かい気持ちになりました。