つくりびと

14|城山養魚場|城山拓也さん

自然が相手だからこそ、実直に向き合う

今回は鯉やマスを中心に養殖をされる、城山養魚場にお邪魔しました。雄大な霧島山麓をのぞむ、美しい田園に囲まれたいけすをのぞくと、魚たちが所せましと元気に泳ぐ姿が印象的です。

「うちの自慢は何と言っても新鮮さです」。そう語ってくれるのは、代表を務める城山拓也さん。父の跡を継いで20年、この道だけをひたすらに歩み続けてきました。「小林は何と言っても水が綺麗。養殖をするのにこれ以上恵まれた環境はありません」。その言葉の通り、城山さんの育てる魚の身は臭みが少なく、刺身などの生食に向いているそうで、地井シェフも重宝しているのだとか。廃業していく同業者も少なくない中、長年に渡って多くの料理人から支持を集めているのには確かな理由があります。「この仕事は自然が相手。雨が降ればいけすの掃除に追われたり、魚の体調管理に気を配ったりと、休む暇なんてありません」。

恵まれた環境に身を置きながら、そこに安住することなく、いつ何時も努力を怠らない。その実直な姿勢こそが、城山さんの生き様そのものなのかもしれません。